e-PORTの目指すものは、「所有するITから、利用するITへ」とITを広く普及させることです。そのためにはハード的なIT設備の充実だけでなく、
利用者はよりかしこい利活用を、事業者はより良いサービスを提供できるように共同で検討を進め、協力しながらe-PORT構想を推進していく必要がありま
す。この、ITプラットフォームとユーザーとプレイヤーによる「三位一体の推進協力体制」がe-PORT構想の原点であり、また誇るべき特徴でもありま
す。
特筆すべき点として、e-PORT構想は、1つの自治体や企業による単独事業ではなく、構想に賛同した利用者と事業者による共 同推進体制をポリシーに掲げているという事が挙げられます。そこには、ライバル企業同士の駆け引きもあれば、また利用者と事業者の意識ギャップもあるで しょう。しかし、e-PORTが目指す、あるべきIT社会の実現のためには、コラボレーション(協調)とオープン(自由化)が当たり前のように行われる場 でなければならないのです。このようにビジネスコンプレックス化したデータセンター、つまり北九州方式の運営こそ、これからのデータセンタービジネスのス タンダードになり得ると考えられます。
「北九州e-PORTイニシアティ
ブ」は、e-PORTの中核であるデータセンターの効果的利用、利用促進のために、このデータセンターを利用したビジネスを行う、本来ならばライバル関係
にある7社が集まり組織した共同運営体です。この様にデータセンターが複数の企業で共同運営されるのは、全国でも初めてです。

「北九州e-PORT推進協議会」は、約160の企業や団体が参加し、来るべきIT社会のための、サービスメニューの充実、人材の育成、e-PORTの利 用促進、ビジネス連携、親睦交流を目的とするもので、e-PORT推進の中心的役割を担う団体です。組織内に、「企画運営委員会」「行政サービス部会」 「プロモーション部会」「人材育成ワーキンググループ」等のグループを持ち、それぞれの案件を検討・審議しています。
中核施設である「北九州e-PORTセンター」は、日本テレコムの運営ですが、日本テレコム以外のNTT西日本、NTTコミュニケーションズ、九州通信 ネットワーク、QTネットなどの他キャリアも参入しており、利用者の自由な選択が可能なマルチキャリア方式となっています。これにより、簡単にアクセス回 線を多重化することができ、災害時でもより安定したアクセスラインが確保されます。また、サーバーマシンやソフトウェア、その他周辺装置にもメーカー等の 制限はなく、多様な利用者のニーズに応えることが出来ます。
e-PORTで は、北九州市を含む福岡県北東部13市町で構成される「北九州地区電子自治体推進協議会(KRIPP)」向けに、電子自治体推進の基盤となる総合行政ネッ トワークサービスを提供しています。自治体は今後、自前のサーバー施設や専用開発ソフトウェアを持たず、ASPなど、IT資源を共同利用する方向に進むと 考えられます。これにより、コストの低減とサービスレベルなどに大きなメリットが期待できます。
「北九州e-PORTセンター」では、総合行政ネットワーク(LGWAN)への接続設備を全国に先駆けて整備を行いました。LGWAN-ASP上で行政向
けサービスの提供を希望する事業者を幅広く受け入れ、これらの事業者にインフラ(LGWAN-ASP接続機能)を提供しています。これは、全国でも大変珍
しいサービスです。
北九州で芽生えたe-PORTは、今、四方に広く枝を伸ばし新緑の若葉を豊かにたくわえ、あるいは北九州という大地にしっかりとした根を張り、豊穣の実を結び始めました。
さらなる成長を経てやがて巨木になるe-PORTは、足下の大地と社会に、計り知れない恩恵をもたらします。
さらに、その実は種子となり、日本中に新たなるe-PORTの若木を芽吹かせることでしょう。