
新日本製鐵八幡製鐵所は、構内にあった主要なサーバーをe-PORTセンターに移設しました。この「計算機センター先進化プロジェクト」を実行した、生産技術部の太田さんと、新日鉄ソリューションズの岡田さんにお話を聞きました。 編集:まず、太田さんのいらっしゃる生産技術部と、岡田さんのいらっしゃる新日鉄ソリューションズというのは? 岡田:私のいる鉄鋼ソリューション事業部北九州システムセンターは、八幡製鐵所さまのシステムの企画の一部から開発、保守までを請け負っております。 |
計算機センター先進化プロジェクト 編集:「計算機センター先進化プロジェクト」の契機や経緯をお聞かせください。 太 田:八幡製鐵所構内に戸畑計算機センターというのがあったのですが、建物が昭和42(1967)年に建てられたのもので、その老朽化が進んだということが きっかけです。10年ほど前にも構内に計算機センターの新築を検討しましたが、多額な構築コストに尻込みして棚上げになっていました。ところが最近、情報 セキュリティの要求も高くなるし、設備もいよいよ古くなってきて、真剣に移転を考えていたところ、ちょうどタイミングよくe-PORT構想が進んでいて、 社外データセンターの利用へと急進展したというのが実態ですね。もちろん自前で建てることも再度検討しましたが、コスト面や将来性からe-PORTへの移 転を決断しました。
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わずか2時間で移転完了 編集:それが2時間でe-PORTセンターに移転したというものですね。 岡田:移転に伴うシステムの停止は避けられないのですが、物理的に計算機を移設すると十数時間はシステムが止まってしまいます。八幡製鐵所さまでは、1時 間システムが止まるだけで大きなリカバリコストがかかりますので、システム停止は最小限にしなければなりません。幸い、基幹サーバーの更新時期でしたか ら、e-PORTに新しいサーバーを準備し、計算機センターとe-PORT間を超高速ネットワークで結んで、移転前からデータをシンクロさせました。ディ ザスター・リカバリと同じ技術を使って、移転作業を切り替えだけですむようにしたのです。もちろんノントラブルでした。 |
移転してe-PORTの活性化を 編集:新日鉄全体でも外部のデータセンターを使うのは初めてですか? 太田:全く初めての試みです。10年前だったらできなかったかもしれません。ただ今回、それができたということは大きいと思います。我々はe-PORTに 移転することで情報セキュリティが上がることは当然という認識だったのですが、社内にはデータが製鐵所外で保管されることに不安を感じる者もいました。最 終的には、e-PORT移転のメリットを理解してもらい、実行に着手することができましたが、実のところ距離の離れた場所での運用は私も心配でした。トラ ブル発生時には、すぐに現場に駆けつけたい。ただ、新日鉄ソリューションズも含めて、我々はe-PORT構想の段階からずっとかかわっていますので、e- PORTセンターの活性化に少しでも貢献したいという気持ちでした。 岡田:運用側の立場からすると、構内の我々のいるオフィスの横に計算機センターを新築していただくのが一番良かったのです。何かあったらすぐに行けます し・・・。でも、八幡製鐵所の計算機が外に出て行くということのインパクトは大きく、今後のe-PORT活性化、ひいては地域のITレベル向上のために移 転すべきだと思いました。 |
安定稼動に向けて 編集:e-PORT移転の恩恵はどんなところに出てきていますか? 岡田:運用面においては、安定稼働に向けていろいろな対策を前もって打たないといけないという意識が強まったように思います。遠隔操作でさまざまな運用・メンテナンスを行うことを前提にシステム設計することがあたりまえになりました。 |
SCMの安定供給にも貢献 太田:今、自動車会社のSCMシステムの一部を当社で運用しているのですが、安心感を持っていただいています。老朽化した施設にサーバーがあって、いつ障害が起こるかわからない状態では申し訳ないですから。 岡田:ほかのお客さまともSCMなどのシステム連携を進めていくときに、e-PORTでの運用というのは大きな武器になるでしょうね。実際に皆さん興味を持たれるようで、e-PORTになってからお客さまにシステムを見学をしていただく機会が増えました。 |
もっと拡張性を 編集:e-PORTに対して何か要望があれば・・・ 太 田:視察に来た当社の幹部も「もうちょっとスペースが欲しかったな」と申しておりました。聞くところによると、稼働率が100%近くてもう拡張性がなく なっているそうですから、早くe-PORT2号館なりができてほしいですね。そうすれば八幡だけでなく、全社的にもe-PORTの活用を勧められるのです が・・・。 岡田:e-PORTに集まってきたユーザーの横の連携ができるような環境やサービスが欲しいですね。e-PORTで稼働中の サービス一覧をつくって、レンタル可能なものを公開し、「どうぞ使ってください」というメニューができればいい。システムもシェアード・サービスの時代に なっていいと思うのです。 太田:e-PORTの共同利用については、ユーザーの交流会などがあるので、その中でも話題に上がっています。 また、いろいろな企業の方とお話ししていると、それぞれの考え方がとても参考になりますね。うちのこの部分はあまりにも冗長化しすぎていているなとか、情 報セキュリティ対策を次々に打たれているところもあって、我々も頑張らないといけないなとか。ちょっと切磋琢磨し合えている感じはしますね。 |
協力企業とも連携してe-PORT利用を 編集:将来のゴール、夢などお聞かせください。 太田:現在のワークスタイルを考えた場合、八幡製鐵所のシステムだけが万全であってもだめなのです。関係先企業のみなさんも含め、システムの環境を同じ水 準に合わせていかないとコラボレーションはうまくできない。メールやスケジュール管理などの環境もそうですが、例えば設備増強のプロジェクトを一緒に進め ている会社のファイルサーバーが壊れると、その間プロジェクトが中断してしまうこともあります。八幡製鐵所のシステムを守ることだけではなくて、グループ 全体でどうしたらいいかという見地から提案していかないといけないと思いますね。そこでe-PORTを使えたらと思っています。実際に、e-PORTへの 移転作業を進めているときに、関係先企業を訪ねてみたのですが、サーバーの更新タイミングがそれぞれ違ったりして、一緒に移行することはできませんでし た。でも、順次e-PORTへの移行は進むだろうと思っています。 岡田:それと、構内に事務所を置いている企業のみなさんは、外にある自分たちの本社や事業所とどうネットワークをつなぐかということが課題になっていま す。それに関しては構内に共用ネットワークインフラを敷設して、e-PORT経由で通信できるような環境をつくりたいと思っています。また、それは構内の どこにいても使える、いわゆる「どこでもオフィス」を目指したいですね。そうなれば、各社が集まるプロジェクトの進め方や会議のやり方なども変わってくる のではないかと期待しています。 編集:ありがとうございました。 |