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中小企業攻略のカギは無料化ビジネスモデルにあり

イーコムジャパン株式会社 代表取締役 岡崎真吾

 JR駅構内やショッピングセンターの入口など人の多く集まる場所に行くと必ず数冊種類のフリーペーパーを目にする。
それほど良い紙質ではないが、興味を引くタイムリーな話題が気の利いたキャッチコピーと写真で編集され、そんじょそこらの書店売り雑誌よりもよほど面白いし役に立つ。
かくいう当社も3年前にゴルフのフリーペーパー「月刊リアルゴルフ」(http://www.realgolf.jp)を発刊し、九州一円のゴルフ場・練習場・ショップで配布している。
こういった話はサイバースペースにおいても同様で、無料で使うのが申し訳ないほど役に立つアプリケーションが次々と提供されている。
Google MapやYouTube、GyaO(Usen)の映画配信などが有名だ。

 なぜ無料で提供できるのかと不思議に思うかもしれないが、それは利用者の側からは無料に見えるだけに過ぎない。
これらはれっきとしたビジネスであり、各プレーヤーは提供した労力や資産に見合うだけの報酬をどこかでしっかりと回収している。
前述の「月刊リアルゴルフ」も誌面広告掲載料の代わりとしてゴルフ場から提供を受けたプレーチケットを1万人強の読者会員にディスカウント販売することで収入を得ている。
いま様々な分野で好評を博している「利用者に金銭負担を求めないビジネスモデル」のひとつなのだ。

 BtoBの世界においても中小企業・個人事業者のマインドはこれに近く、「無料で利用」のビジネスモデルへの抵抗感は少ない。
彼ら(我ら)は安全性・信頼性・継続性には高額の費用をも厭わない大企業・官公庁とは思考パターンが違う。
今後、中小企業・個人事業者向けに何らかのビジネスを展開していく際には、「無料で利用」のビジネスモデルの考案がキーファクターとなると思われる。
少なくともサービスの質を落とすことのない「超低価格」は必須だろう。
利用者も含めて複数のプレーヤーが得意なサービスを持ち寄り、絡み合い、結果的に利用者が無料・超低価格の負担となるビジネスモデルのみが成功を収められるのである。
データセンターやその関連サービスも同じで、大企業から中小企業へ利用者層を広げようとする際には低価格化のビジネスモデルが必要となる。
「高度なデータセンターだから高くて当たり前。そのコストは利用者が負担するのが常識」などと従来通りの単純一階層のビジネスモデルを唱え続けていたのでは中小企業領域への参入など絶対に不可能だ。

 だからこそ、様々なプレーヤーが共同ビジネスモデルの構築を期待してお互いを求めあうことがとても重要であり、北九州e-PORTはその可能性を持つ数少ない出会いの場だと思う。
これを活かさないのはもったいなさすぎる。
隣のe-PORTプレーヤーは敵対同業者ではない。
利用者負担額ゼロの新e-PORTサービスを実現するための仲間なのだ。
「あの~・・・、当社が新しく進めるこの無料化のビジネスモデル、御社にも一役かっていただきたいのですが・・・」この一言を切り出すことを当面の目標としてはどうだろう。

※本記事は、北九州e-PORTメールマガジン Vol.26(2009.6.4発行)を
 転載したものです。記載内容は発行時のものです。